
多度津町の、東白方。
海のほうへ行くつもりが、坂を上ることになります。
道はだんだん細くなって、そのうち、けっこう上ってきたことに気がつきます。
着いてみると、屋根つきのウッドデッキが、丘のはしに横向きに建っていました。
風車は、ありました
庭に、白い風車が一台立っています。
思っていたより、ずいぶん小さいです。
羽は、風でちゃんと回ります。
粉を挽いたりはしません。回るだけです。
丘の名前が先だったのか、風車が先だったのかは、聞きそびれました。
海は、下にあります

デッキに出ると、まず屋根が見えます。ふもとの家の屋根です。
その向こうに港があって、さらに向こうが海です。
島がひとつ、とがった形で浮かんでいます。
右のはしのほうには、長い橋のようなものが、うすく見えていました。
海を見る、ではなく、海を見下ろす。
海はたいてい、こちらと同じ高さにあるものなので、すこし変な感じがします。
中は、思ったより明るいです

ガラスが多いので、昼のうちは電気がいらないくらい明るいです。
それでもランプは下がっていて、ちゃんとついています。
カウンターと、木のテーブル席と、奥にソファ。
座るところの高さが、場所によってすこしずつ違います。
この日は一番乗りでした。
一番乗りというのは、いい席を選べる代わりに、だれもいない店で少し落ちつかない、という得と損があります。
ぶたが、のびています

棚の上に、ぶたが三匹います。
かんなくずの上に、寝かせてあります。
こちらを向いているのが一匹。
あとの二匹は、もう完全に寝ています。

壁の高いところにも、一匹いました。
棚のはしに、前足と後ろ足をだらんと出して、のびきっています。
置物というのは、ふつう、立派な格好で置かれるものだと思っていました。
ここのぶたは、だれよりも先に、この店でくつろいでいます。
まるいテーブルと、パラソル

デッキには、まるいテーブルがあります。
まんなかからパラソルが生えていて、日ざしをちょうどよく切ってくれます。
柵の下は、すぐに斜面です。
すわると目の高さがちょうど海の線とそろうので、しばらく何も考えなくてよくなります。
風がときどき強く来ます。
紙のナプキンは、はやめにおさえておいたほうがよさそうです。
焼き目のついた、長いパン

頼んだのは、細長いパンにいろいろはさまったものでした。
生ハムと、チーズと、レタスと、トマト。
パンには、しましまの焼き目がついています。
波の形をした鉄板で押さえて焼くと、こうなるそうです。
まわりに、スープとサラダとポテトが小さく並んでいます。
主役のパンより、まわりのほうが数が多い。こういう皿は、なんだかうれしいです。

もうひとつは、かごに入って来ました。
紙にくるまれたサンドが二つと、ポテト。
かごというのは、外で食べるためのかたちだと思います。
中で食べてもいいのですが、そうすると、かごのほうが少しだけ、外に出たがっている気がします。
おでかけの前に
cafe 風車の丘(ふうしゃのおか)
香川県仲多度郡多度津町東白方864-1
駐車場:あり(丘の上まで車で上がれます)
Instagram:@huusyanooka_2010
営業時間と定休日は、すこし前におじゃましたときとは変わっています。
調べるところによっても書いてあることが違いました。
おでかけの前に、Instagramかお電話(0877-32-0368)で確かめてください。
白方という地名と、生まれた場所が二つある話
このあたりは、白方といいます。
むかしは、東白方、西白方、奥白方という三つの村でした。それがひとつになって白方村になり、そのあと多度津町になりました。
いまも東と西の名前だけが、住所のなかに残っています。
すぐ西の海ぞいに、海岸寺というお寺があります。
このお寺には、弘法大師はここで生まれた、という言い伝えがあります。
ところが、弘法大師が生まれたお寺は、もうひとつあります。
となりの善通寺です。先週、馬車が壁から出ている店に行った、あの善通寺です。
この二つは、江戸時代に一度もめました。
最後は京都のえらい人が出てきて、善通寺のほうが生まれた場所、海岸寺のほうはそのはじまりにゆかりのある場所、ということで話がつきました。
生まれた場所が二つある、というのは、へんな話のようで、すこしいい話だと思います。
どちらかが嘘だったのではなく、たぶん、どちらの土地も、本当にしておきたかったのだと思います。
海岸寺の前の海は、屏風ヶ浦といいます。
丘の上から見下ろしていた海の、すこし西のほうです。
この日の、ほかの途中
多度津から南へ行けば、すぐに善通寺です。壁から馬車が出ている洋館カフェのカフェジジと、もと鉄工所の倉庫にある雑貨屋、zakka カガラカンがあります。
東へ戻れば丸亀です。レンガの喫茶グッドネイバーズコーヒー、うつわの楓、木の図書室があるKITOKURAS(キトクラス)。
山のほうへ上がるなら、まんのう町に山にかこまれた古民家カフェの野良里(のらり)、昭和の冷蔵庫があるハナあかり、朝の早いパン屋のpancafe junju(ジュンジュ)があります。海と反対の方角です。
帰りにもう一度、庭の風車を見ました。
まだ回っていました。どこへも行かないので、上ってくれば、たぶんいつでも回っています。
今日の目的地は、途中です。
また途中で会いましょう。
※このページの写真は、すこし前におじゃましたときのものです。
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