
宇多津町の、東分。
国道11号線を、高松のほうから丸亀のほうへ走っていると、右手に緑の三角屋根が見えてきます。
屋根には、丸い窓が二つあります。
目のようにも見えますが、たぶん、ただの窓です。
カーナピーナ、という名前
カーナピーナは、インドのことばで「食べる・飲む」という意味だそうです。
店の名前が、そのまま、ここでやることの説明になっています。
行き先の名前が、行ってすることと同じ。
迷わなくていいので、とても親切だと思います。
中に入ると、すこし遠くに来ます

天井から、赤と緑の布がゆるく下がっています。
窓の外は、さっきまで走っていた国道です。
窓の外は香川で、窓の内側はインド。
そのあいだにあるのは、ガラス一枚と、木の柵だけです。

白い土の壁に、ところどころ、くぼみがあります。
くぼみの中には、真鍮のランプと、象のかたちをしたなにか。
なにに使うものなのかは、わかりませんでした。
わからないまま眺めていても、べつに困らないので、そのままにしておきました。

通路には、ピンクのサリーが一着、立っています。
銀の縁どりが、窓の光でちらちらします。
だれも着ていないのに、ちゃんと姿勢がいいです。
ナンを焼くところが見えます

厨房の一角が、ガラス張りになっています。
白い土の台の上で、生地をこねて、のばして、窯の中へ。
手が止まらないので、見ているほうも目が離せません。
料理を待っているあいだに、料理ができていくところを見る。
待ち時間が、待ち時間ではなくなります。
辛さは、十五まであります

メニューには「HOW HOT?」と書いてあります。
辛さは、1から15まで選べるそうです。
図には5までしか描かれていません。
6から先は、書かれていないところです。
この日は4にしました。
地図の端の、すこし手前です。
テーブルには、香辛料の写真と説明がびっしり並んだ紙が敷いてあります。
料理が来るまでに、ひと通り読めるくらいの量です。
ナンは、皿からはみ出します

銀色の大きな皿に、カレーと、丸く盛ったライスと、タンドーリチキンと、サラダ。
そして、ナン。
ナンは、皿の上におさまっていません。
折りたたまれて、それでもまだ、ふちに寄りかかっています。
この日はチーズの入ったナンにしてもらいました。
やわらかくて、もちもちしていて、ちぎると糸をひきます。
量はけっこう多めなので、だれかと分けるくらいがちょうどいいかもしれません。

最後に、ラッシー。
白くて、つめたくて、すこしすっぱい。
4まで行った口が、ゆっくり1のほうへ戻ってきます。
おでかけの前に
インド料理 カーナピーナ(KHANA PEENA)
香川県綾歌郡宇多津町東分1642-1(国道11号線沿い)
駐車場:あり
公式サイト:khanapeena.jp
Instagram:@khanapeenautazu
営業時間は、すこし前におじゃましたときとは変わっています。
おでかけの前に、公式サイトかお電話(0877-41-0025)で確かめてください。
テイクアウトもできるそうです。
宇多津という町と、塩の話
宇多津は、むかし、塩の町でした。
海ぞいに塩田がずっと広がっていて、海の水を砂にまいて、お日さまで乾かして、塩をとっていました。
いまその場所には、大きな公園や、高い塔や、新しい町なみが建っています。
それでも臨海公園のなかには、むかしのやり方の塩田が、小さく復元されて残っています。
塩をつくっていた町で、香辛料のカレーを食べる。
どちらも、海のむこうから来た味と、海からとれる味で、あまり関係はありません。
でも、どちらも、ごはんをおいしくするためのものです。
この日の、ほかの途中
国道11号線をそのまま西へ行くと、すぐに丸亀です。レンガの喫茶グッドネイバーズコーヒー、うつわの楓、木の図書室があるKITOKURAS(キトクラス)があります。
もうすこし西へ行けば、多度津と善通寺です。海を見下ろす丘の上のカフェ、cafe 風車の丘、壁から馬車が出ている洋館カフェのカフェジジ、もと鉄工所の倉庫にある雑貨屋、zakka カガラカン。
山のほうへ上がるなら、まんのう町に山にかこまれた古民家カフェの野良里(のらり)、昭和の冷蔵庫があるハナあかり、朝の早いパン屋のpancafe junju(ジュンジュ)があります。
店を出ると、また国道です。
さっきまでいた場所が、ガラス一枚ぶん、うしろになりました。
今日の目的地は、途中です。
また途中で会いましょう。
※このページの写真は、すこし前におじゃましたときのものです。
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