
高松市の、国分寺町。
国道11号線から、細い道へ一本入ります。
見えてくるのは、瓦屋根の、古い農家の家です。
ふつうの家に見えます。
ここが、ラーメン屋さんです。
入口の前に、風の道具

店のわきの植え込みに、木の大きな道具が置いてあります。
唐箕(とうみ)という、むかしの農具です。
ハンドルを回して風をおこし、お米と、もみがらを分けます。
重いものは下に落ちて、軽いものは飛んでいく。
いまは回す人がいないので、なにも分けていません。
ただ、とても落ちついて、そこにあります。

青いのれんの横には、木の長いすがひとつ。
混んでいる日は、ここで順番を待つことになります。
待つための場所が、最初から用意してある。
それだけで、待つのが少しだけ上手になる気がします。
中は、八十年ぶん暗い

建物は、築八十年ほどの納屋を直したものだそうです。
見上げると、太い梁が、むき出しのまま横切っています。
壁は、わらの混じった土の壁です。
もともとは、農具やお米をしまっておく場所でした。
いまは、ラーメンを食べる人をしまっておく場所になっています。

小上がりの座敷もあります。
窓の外は、葉っぱの落ちた木と、明るい空。
中が少し暗いので、外がよけいに明るく見えます。
壁には、大きな魚拓と、サインの色紙。
カウンター席もあるので、ひとりでも入りやすそうです。
しょうゆと、釜たま

しょうゆラーメン。
すきとおった茶色のスープに、チャーシューが二枚。
チャーシューは、とろとろでした。
とろとろなので、となりの小さい人に、ひと切れ持っていかれました。
とろとろのものは、だいたい、持っていかれます。

こちらは、釜たまラーメン。
スープはなくて、麺の上に、卵の黄身がふたつ。
釜たまうどんと同じように、ぐるぐるかき混ぜて食べます。
黄身が麺にからんで、もちっとして、讃岐の味がします。
うどんの県で、ラーメンを、うどんの食べかたで食べる。
どちらの味方をしているのかは、よくわかりません。
たぶん、どちらの味方でもあります。
おでかけの前に
讃岐らーめん はまの
香川県高松市国分寺町新居1004-3(国道11号線から少し入ったところ)
駐車場:あり(店の前の砂利の駐車場)
Instagram:@ramen_sanuki
営業時間やお休みの日は、すこし前におじゃましたときとは変わっています。
おでかけの前に、Instagramかお電話(087-874-5159)で確かめてください。
空いている席のお知らせを、Instagramのストーリーズで出していることもあるそうです。
国分寺という町の名前
国分寺町の名前は、そのまま、お寺の名前からきています。
奈良時代、国ごとにひとつずつ、国分寺というお寺が建てられました。
讃岐の国分寺は、この町にあります。
いまは四国八十八ヶ所の、八十番の札所です。
千三百年くらい前に、国ごとに一つと決められたお寺。
八十年くらい前に、農具をしまうために建てられた納屋。
同じ町の中で、古いものが、それぞれの古さで、まだ使われています。
この日の、ほかの途中
国道11号線を西へ下っていくと、宇多津に緑の三角屋根のインド料理、カーナピーナがあります。
そのまま丸亀へ入れば、レンガの喫茶グッドネイバーズコーヒー、うつわの楓、木の図書室があるKITOKURAS(キトクラス)。
古い家の店がすきなら、まんのう町の山にかこまれた古民家カフェ、野良里(のらり)と、昭和の冷蔵庫があるハナあかりもあります。
店を出ると、唐箕はさっきと同じところにいました。
風はおこしていませんでしたが、外は、少し風がありました。
今日の目的地は、途中です。
また途中で会いましょう。
※このページの写真は、すこし前におじゃましたときのものです。
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